『3ダースサン、後世の “アタマの良いヒト” って、3ダースサンご自身のことですか?』というご質問をいただきま
だって、3ダース自身も…あの “通説” を一時期は完全に信じちゃってましたから…
なるほどなぁって思ってましたから…
そういうグランドデザイン (全体構想) があって、F・P・Mが体系的に整備されてるんだなぁって、マジ
ですから…この通説を考えたヒトは、3ダースを騙せるくらいスゴいヒ
まぁ、相当昔のヒト (たぶんフランス人) だったと思いますがね。
今回の話題は『120号の謎』
さて、今回の話題は『120号の謎』です。
たぶん、みなさんも一度くらいは不思議に思ったはず…。
F100 1620 × 1303 ㎜
P100 1620 × 1120 ㎜
M100 1620 × 970 ㎜
F120 1940 × 1303 ㎜
P120 1940 × 1120 ㎜
M120 1940 × 970 ㎜
F130 1940 × 1620 ㎜
木枠寸法表の日本サイズ、100号・120号・130号の3行に
なんか…不思議ですよね?
100号と120号以外の行では、Fの短辺に使っている寸法が一
さらにその同じ寸法がその下の行のMにまた使われる…というよう
しかし100号と120号の2行は、F・P・Mどこを見ても “上下で同じ数値” なんですよ。
これは不思議ですよねぇ?
そして120号と130号では “長辺が同じ数値” …。
長辺の長さこそが、号数を規定する唯一の基準となるはずなのに、
さらに130号にはP・M・Sの設定がありません。
F型のみです。
それに、130号はフランスサイズの寸法表には存在しません。
不思議な点を挙げてみましたが、すでに3ダースメルマガの中でいくつ
(実はメルマガの話題に挙げる順番を間違えちゃって、先に答えを
F130がフランスサイズの寸法表に無いのは、日本人が勝手に作
また、F130の長辺が120号の長辺と同じなのは、昭和の頃の
つまり必然的に、120号とF130は長辺が同じ…ってことにな
長辺が120号と同じなので、130号にS型を設定する意味は無
まぁ思うに、フランスで発案されたF120が『F型を名乗ってい
だって、F120の比率は…短辺1に対して長辺は1.489です
すなわち、ほぼ1対1.5ですもん!
これは紙のA列・B列に使われる “白銀比” よりも細長いんですもん!
だから、『120号の長辺に…もっと幅が広くなるような短辺をあ
『ワタシ、フランス人デェ~ス。日本ノミナサン、ゴメンナサ~イ
ツマリ〜F120ハ作リ忘レテタンデスヨ〜。最初ッ
ナノデ…フランスノ寸法表デハ12
で、その空欄だった120号のFの位置に入るのが日本人考案のF
これなら日本サイズの寸法表も…100号・120号・130号の
それにF・P・Mの短辺が…寸法表の中で階段状に配置され、上の
しかし、実際にはフランス人にとってのF120は…現行のあの “細長いF120” で正解なのです。
ウッカリとか間違いとか勘違いとか印刷ミスなんか…どっこにもあ
あの細長過ぎるF120こそが、フランス人にとってのF120で
じゃあなぜフランス人はあんなにも細長いF120を…『F型』と
そしてなぜ100号と120号の寸法の設定をする時、長辺だけは
これは3ダースにとっても…長年の謎でした。
本当に謎でした。
でも大事なことを見落としていたことに3ダースは気付きました ‼‼
我々現代の日本人は、F120というと…ついつい横長になるよう
実際、あの細長いキャンバスをタテにして使ったという現代の日本
でも、本来はそうじゃないんですよね。
みなさん、よ~く思い出してみましょう。
そもそも、フランスで市販の張りキャンバス及びキャンバス用の木
キャンバスのF型 (フィギュール = 人物型) の呼び名も、もともとは『ポルトレ (肖像) 』でしたよね?
そう、F120は横にして使うんじゃありません!
タテにして、人物の全身像 (立位肖像画) を描くために使われていたのです!
よく考えてみてください。つっ立っている人の “全身像” ですよ。皆さんも見たことあるでしょう? そういう肖像画!
立位肖像画専用のキャンバスだったんですよ!
そう考えれば “細長過ぎ” なんてことはないでしょう?
むしろF120くらいの細さなら、立位肖像画には “もってこい” です。
理想的なのです!
逆に少し四角っぽい比率のF100だと立位肖像画は描きにくいん
立っている人物を中央に配置したら、左右の背景の面積が大きくな
だから、椅子などに腰掛けた肖像だったり半身の肖像であればF1
つまり…つっ立っている人物の全身像を描くのなら、F120の一
F100とF120の短辺が同じ数値なわけですから…寸法表を見
つまりF100とF120は、明確に役割が違っていたんです。
とは言え…F100もF120も、どちらも対象物は “人物” ですよね?
ですから、最初っからどちらも『F型』を名乗っているのも間違い
肖像画全盛の頃のフランス人に…後の時代の日本人が考え出した “F130” を見せたとしても、『コンナ正方形ミタイナ変ナ比率ノキャンバス
F120が細長いってことにはちゃんと意味が有ったんです。
意味もなく、ムダに細長かったんじゃないんです。
F120は…横にして使っちゃダメだったんです。
(もちろん現代の人でしたら、日本人でもフランス人でも…F12
そしてもう一つ、フランスサイズの寸法表が120号までで終わっ ている理由についての解説を…。
これは…画材店の店員なら気付ける可能性がありますが、学校の先
つまり、様々な大きさの木枠に…様々な種類のキャンバスを張る作
はたして、読者のみなさんはお気付きになられましたか?
フランスサイズにおいて、F100とF120…長さ (長辺) は違いますが幅 (短辺) が『1300 ㎜』で同じでしたよね?
これは何かの “限度・限界” があったためにこの幅に決められたんじゃないかな?…って考えら
そう、それはキャンバス布の “幅” のリミット (限度・限界) です。
現在出回っているロールキャンバスで最も一般的な布幅は145㎝
でも、25年以上前は145㎝幅よりも圧倒的に140㎝幅が主流
そしてそれより100年以上昔のヨーロッパでも、やはりずっと1
布の幅は、織機 (しょっき) の規格で決まります。当時のヨーロッパにあったのは、140㎝幅
あ、このちょくちょく出てくる “当時” って、フランスにおいて市販の張りキャンバス及び市販のキャンバ
それはメートル法がフランス国内で使われ始めた1799~180
そんな昔から、街には画材店が存在していて…規格に従って木枠や
その証拠に1757年刊行の『美術辞典』なる書物に、メートル法
当然、布を織る織機は…もっと昔からありました。もちろん手動の
そんな昔の頃から、布の幅は140㎝って決まっていたんです。
この140㎝の幅の布を無駄なく使えるのが、フランスサイズにお
(F60の長辺も、140㎝の幅の布を無駄なく使えます)
木枠の規格寸法を考案するにあたって、当然考えなければならなか
実は、当時のヨーロッパには210㎝幅の亜麻布も存在しましたが
高い布でも惜しみ無く使えるような “超売れっ子の画家” なら、いくらでも大きい木枠を画材店に “特注” することも出来たでしょう。
でも、それほど売れていない…つまり “その他大勢の画家” 達は、140㎝幅のリミット内で展開されている…リーズナブルな
面白いですよねぇ?
我々現代の画材店も、布幅のリミットを超えたサイズの木枠に張る
210㎝幅のロールキャンバスは日本サイズのF200 (短辺が1940㎜) を張るのにちょうど良いです。
あと…175㎝幅のロールキャンバスはF130を張るのにちょう
こういう知識は、幅の広さの違う複数のロールキャンバスを使い分
F100とF120の木枠の短辺が同じ寸法だ…ということが、ど
居ないかも知れませんが…。
ちなみ現在…ロールキャンバスの幅は3mくらいの物も存在します
例えば、ルーブル美術館で最大の絵画と呼ばれる『カナの婚礼』 (ヴェロネーゼ・6.77 × 9.94m) や、2番目の『ナポレオンの戴冠式』 (ダヴィッド・6.21 × 9.79m) などは、当然布を継いでキャンバスを作っていると考えられます。
この “布を継ぐ” という行為はけっこう普通に行われていたことだそうです。
まあ、幅が足りなければ継げばいいわけで…実際140㎝を超える
この、“継ぎさえすれば大きな布が作れる” …っていうのは、帆船の帆 (セイル) のことを想像していただければみなさんにもご理解いただけるかし
みなさん、帆船のあの巨大なセイルが…継ぎもしない一枚物の布な
けっこうたくさんの布を並べて継ぎ合わせて…あのセイルは出来て
これ、何か解り易い画像があるかと色々検索してみたんですが…ど
でもつい最近、良いキーワードが見つかりましたよ。
『総帆展帆 (そうはんてんぱん =フルセイルエキシビション) 』です。『セイルドリル』も、同じような意味です。
これらのコトバで画像検索していただければ、接岸した帆船が帆を

※画像参照
これらの画像のセイルを見て頂ければ、何枚もの布を並べて継ぎ合
現在の帆船のセイルは大航海時代の船とは違って亜麻の布製ではな
木枠とキャンバス布は、片方だけでは仕事が出来ません。両方が有 効に活用されて、初めて成り立ちます。
フランスサイズの寸法表に120号までしか書かれていなかったこ
F100の “幅” が一つのリミットになっていて、どうしてもF120も同じ幅に抑
ただし、立位肖像画専用のキャンバスは細長く作られていて当たり
売れている画家なら、規格の制限を飛び越えて…もっと大きな画面
当時は布を継いで大きな画面を作ることは…けっこう普通に行われ
500号まで記載された『日本サイズの寸法表』の隣に、F100
これも読者のみなさんは違和感を持って見ていらっしゃったかもし
だから寸法表に書く規格寸法は120号までで充分…と。
さすがフランス!
とても合理的な考え方じゃあないですか!
いかがでしたか?
これだけのことを総合的に述べた文章は、そうそう存在しないので
3ダース、なかなかやるでしょ?
ひたすら…寸法表を穴が開くほど見つめていると、こういうことま
ですので…まだまだ木枠寸法のハナシは続きます。
※参考寸法表
【第50回終わり】














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