【衝撃!角顔彩って透明水彩だったの!?】今さら知った名前の由来とキラキラ技法の真実

「角顔彩」って、なんで「角」なの?

突然ですが、皆さん。

吉祥の**「角顔彩(かくがんさい)」**って、なぜ「角」って付いてるかご存知ですか?

実は私、長年画材を扱っていながら、深く考えたことがありませんでした…。


答えは超シンプル!容器が四角いから!

調べてみたら、答えは拍子抜けするほどシンプルでした。

「角」= 四角い容器
「顔彩」= 日本画用の固形絵具

つまり、角型(四角い)の容器に入った顔彩という、そのまんまのネーミングだったんです!

じゃあ、丸い容器に入ってるのは?

実は、同じ絵具でも容器の形で呼び方が変わるんです。

  • 四角い皿に入れたもの → 「角顔彩」
  • 丸い陶器の皿に入れたもの → 「鉄鉢(てっぱち)」

吉祥公式サイトにも、「鉄鉢は顔彩と同じ絵具の大容量タイプです。丸い陶器のお皿に入っているので安定感があり、余裕で筆を動かせますので絵具が溶きやすいです」と書いてあります。

つまり、中身は同じで容器が違うだけなんですね!

鉄鉢の方が大容量なので、よく使う色は鉄鉢で買って、セットは角顔彩で揃える…という使い方をされている方も多いようです。


そして、もう一つの衝撃…角顔彩って透明水彩だったんです!

ここからが本題です。

私、長年の思い込みでとんでもない勘違いをしていました。

角顔彩は不透明水彩だと思ってた…

あのマットな質感、しっかりとした発色。

私はずっと、角顔彩は**「不透明水彩絵具」**だと思い込んでいたんです。

でも違いました!

吉祥公式が明言:「透明水彩絵具のような感覚で使える」

吉祥の公式サイトを改めて確認したところ、こう書いてありました:

「水を含ませた筆で、表面をなでるだけで筆に絵具が含まれます。もちろん混色や重ね塗りも可能です。透明水彩絵具のような感覚でご使用いただけます。

え、透明水彩だったの!?

今さらですが、衝撃の事実でした…。

でもアラビアガムじゃないんです

ここで混乱するのが、角顔彩の成分。

一般的な透明水彩絵具は**「顔料+アラビアガム」**で作られています。

でも、吉祥の角顔彩は:

  • 高品質な顔料(水干絵具と同じもの)
  • 天然高級デンプン質
  • 膠分(にかわぶん)

で作られているんです。

つまり、成分は透明水彩と違うけど、使用感は透明水彩に近いという不思議な絵具なんですね。

一部に不透明色もあります

ただし、すべてが透明というわけではありません。

チタン(チタニウムホワイト)を混ぜて不透明性を高めた色もあります:

  • No.47 鳩羽(はとば)
  • No.49 白緑(びゃくりょく)

これらは意図的に不透明性を持たせた色なんですね。


やっちまった…お客様に間違ったアドバイスをしてしまいました

ここからが、お詫びの話です。

最近、パール角顔彩を使った「イリデッセントカラーズ」のようなキラキラ表現が大人気ですよね。

イリデッセントカラーズって?

**イリデッセントカラーズ(iridescent colors)**とは、光の角度によって色が変わる、虹色のような輝きを持つ絵具のこと。

代表的なのが、ドイツ製の高品位水溶性絵具**「FINETEC(ファインテック)パールセントカラー」**です。

特別に精製された天然のアラビアガムと真珠光沢のある顔料を使用した固形絵具で、優れた耐光性と発色の良さを持ち、カリグラフィや絵画、グラフィックアートなどで大人気なんです。

私がやっちまったアドバイス

で、私。角顔彩を不透明水彩だと思い込んでいたので、お客様にこんなアドバイスをしちゃったんです:

「パール角顔彩を下地に敷いて、その上から透明水彩絵具を重ねると、FINETECみたいなキラキラした表現ができますよ!」

このアドバイス、不完全でした…。

大変申し訳ございませんでした!

何が問題だったのか

角顔彩も透明水彩的な性質を持つと知って、気づいたんです。

下地が溶け出しちゃう!

角顔彩は膠とデンプンで練られた水溶性の固形絵具

その上から、透明水彩絵具(これもアラビアガムという水溶性の展色材)をそのまま重ねると…

下地のキラキラパールが水に溶けて混ざっちゃうんです!

せっかくのイリデッセント効果が台無しに…。


救世主現る!正しい技法を教えていただきました

落ち込んでいた私に、専門家の方が素晴らしい解決策を教えてくださいました!

正解は「膠液で定着させる」技法!

手順はこうです:

  1. パール角顔彩を下地に塗る
  2. 膠液(にかわえき)を少し混ぜる(または表面に薄く塗る)
  3. しっかり乾かす
  4. その上から透明水彩絵具を重ねる

この工程を踏むことで、日本画材料でもFINETECみたいな美しい輝きの表現が可能になるんです!

膠液って何?なぜ効くの?

**膠(にかわ)**は、動物性のタンパク質から作られる接着剤。

日本画では古くから使われてきた、伝統的な画材です。

吉祥からも**「粒膠」「棒膠」「膠液」**など、いろいろな膠製品が販売されています。

膠液を混ぜる(or塗る)ことで:

  • 接着力が高まる
  • 乾燥後、水に溶けにくくなる
  • 下地のパール色が動かない
  • イリデッセント効果がしっかり保たれる

吉祥公式サイトにも、「日本画で使用する岩絵具、水干絵具は単体では画面に定着させることができません。膠液を混ぜて、筆などを使って絵を描き、それがゆっくりと乾きながら、画面と絵具が接着します」と書いてあります。

これだ!


日本画材料でキラキラ表現を成功させる5つのポイント

ポイント1:膠液は「ほんの少し」でOK

入れすぎると絵具が硬くなったり、ひび割れたりします。

ほんの少量を混ぜるか、筆に含ませて表面をなでるように塗るだけで十分です。

ポイント2:完全に乾燥させてから次へ

膠液を混ぜた(塗った)下地は、しっかり乾燥させてから上塗りしましょう。

生乾きのまま重ねると、やっぱり混ざっちゃいます。

ポイント3:透明水彩は薄めに溶いて重ねる

上から重ねる透明水彩絵具は、薄めに溶いて何度か重ねる方が、下地のキラキラ感を活かせます。

これ、FINETECでも同じテクニックですよね!

ポイント4:初心者には「膠液」がおすすめ

吉祥の膠製品には:

  • 粒膠(水で溶かして使う)
  • 棒膠(水で溶かして使う)
  • 膠液(そのまま使える)

がありますが、初心者の方には**「膠液」**が断然おすすめ!

すぐに使えて便利です。

ポイント5:色の重ね方で表現が変わる

  • パール系の下地 → 寒色系透明水彩 = 涼しげで神秘的な輝き
  • パール系の下地 → 暖色系透明水彩 = 温かみのある華やかな輝き
  • 金・銀の下地 → 透明水彩 = 伝統的な日本画の趣と現代的な表現の融合

組み合わせは無限大です!


FINETECも素晴らしいけど、日本画材料も負けてない!

FINETEC パールセントカラーは本当に素晴らしい絵具です。

あの美しい輝き、高い耐光性、使いやすさ…多くのアーティストが愛用する理由がよくわかります。

でも、日本画材料でも同じような表現ができるんです!

しかも、吉祥の角顔彩パールカラー+膠液を使えば、FINETECとはまた違った、和の趣を感じさせる独特の輝きを生み出せるんです。

これって、すごくないですか?


表現の仕方はいろいろ!いっぱい材料を試してみよう!

絵を描く楽しみの一つは、いろんな画材を試して、自分だけの表現を見つけることだと思うんです。

  • FINETECのような海外製の高品位水彩絵具
  • 吉祥の角顔彩パールカラー
  • 吉祥や中川胡粉や上羽絵惣など他メーカーの顔彩
  • 岩絵具や水干絵具
  • いろんなメーカーの透明水彩絵具

それぞれに個性があって、それぞれに素晴らしい表現ができます。

「これじゃなきゃダメ!」なんてことはありません。

気になった画材は、どんどん試してみてください!

新しい画材に出会うたびに、新しい表現の可能性が広がります。

失敗も含めて、すべてが学びで、創作の糧になります。

日本画材料には、長い歴史の中で培われた技法と知恵があって、現代のイリデッセント表現にも応用できる可能性を秘めているんです。

ワクワクしませんか?

ぜひ、いろいろな材料を試して、あなただけの表現を見つけてください!


まとめ

  • 「角顔彩」の「角」は、四角い容器だから
  • 丸い容器に入ってるのは「鉄鉢」(中身は同じ)
  • 角顔彩は顔料+天然高級デンプン質+膠分で作られている
  • 透明水彩絵具のような感覚で使える透明水彩的性質を持つ
  • No.47 鳩羽・No.49 白緑はチタンを混ぜた不透明色
  • パール角顔彩の上に透明水彩を重ねる場合は、必ず膠液で定着させる
  • 膠液を使うことで、FINETECのような美しいイリデッセント表現が可能
  • 日本画材料でも海外の技法と同様の表現ができる
  • FINETECも素晴らしいが、吉祥角顔彩でも美しいキラキラ表現が可能
  • 表現の仕方はいろいろ!いっぱい材料を試してみよう

吉祥 角顔彩・パールカラーシリーズ

吉祥 角顔彩パールカラー8色セットは、上品で華やかな輝きを持つパール顔料が配合された絵具です。

セット内容:

  • パール紫
  • パール橙
  • パール青
  • パール赤
  • パール緑
  • パール黄緑
  • 青金
  • 赤金

通常の顔彩とはまた違った魅力があり、イリデッセント表現に最適な日本画材料として、多くのアーティストを魅了しています。


お詫びと感謝

改めて、不完全なアドバイスをしてしまったお客様には深くお詫び申し上げます。

そして、正しい技法を教えてくださった専門家の方、吉祥の丁寧な商品説明に心から感謝いたします。

今さらですが、角顔彩が透明水彩的な性質を持つという事実、そして「角」の名前の由来を知り、改めて画材の奥深さと面白さを実感しました。

日本画材料でも、イリデッセントカラーズと同じような美しい表現ができるということを、多くの方に知っていただければ幸いです。

さあ、いろいろな材料を試して、創作を楽しみましょう!

新しい発見が、きっとあなたを待っています!


【情報共有】

この記事は、吉祥公式サイト、FINETEC製品情報、および専門家の方からいただいたアドバイスをもとに作成しました。

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ABOUTこの記事をかいた人

筆メーカー勤務。アートポータルサイト「筆選=Hudesen」運営者。画材専門ブログとして始まった小さな挑戦が、今では画材を中心としたアートポータルサイトへ進化。画材業界とアート文化の架け橋を目指しています。