「シャーペン狂走曲」

シャーペン狂走曲

あの日、息子がおじいちゃんの入学祝を武器に放った殺し文句


「お父さん、僕、みんなが持ってる高級なシャーペンが欲しいんだ。勉強頑張るから!」

やられた。完全にやられた。

約1か月前の夜、我が家の中学1年生の息子が、おじいちゃんとおばあちゃんからもらった入学祝を握りしめて、この「殺し文句」を放ってきたのです。

「勉強頑張る」って言われたら、画材・文具の卸をやってる親として、どうやって「ダメ」なんて言えるでしょうか。そんなわけで始まった、我が家のシャーペン騒動。この「シャーペン狂走曲」の物語を、同じような体験をしているお父さん・お母さんたちに、ありのままお話しします。


🔍 画材・文具卸業者の父が調べてみた – 息子の狂気の正体

「勉強頑張る」の殺し文句に屈服した私は、仕事柄いろいろと調べてみることにしました。すると、これが想像以上に深刻な「文具狂」の世界だったのです。

【親の心境】 息子が夜中までYouTubeでシャーペンのレビュー動画を見てるんですよ。「芯の出方が滑らか」とか「重心バランスが絶妙」とか、まるで高級時計の評価をするように語るんです。これ、普通ですか?(笑)

火付け役は、YouTuber「しーさー」さん。2020年のコロナ禍で外出できない子どもたちが、文具レビュー動画にハマりにハマった。そこから始まった中学生のシャーペン狂走曲は、もはや止まることを知りません。

📊 文具卸業者が見た市場の現実

  • 中心購買層: 中学生男子(小学生・高校生にも感染拡大中)
  • 人気価格帯: 1,000円〜3,000円(親が渋々承諾するライン)
  • 危険価格帯: 5,000円〜10,000円台(お年玉・お小遣い貯金ゾーン)
  • 感染源メディア: YouTube、TikTok、Instagram
  • 親の戦況: 「勉強道具だから…」で敗北続出

🏆 中学生が狂う!シャーペン人気ランキングTOP5

息子の友達調査と、業界情報を総合して、現在最も「狂わせている」シャーペンTOP5をまとめました。なぜこんなに欲しがるのか、親の視点で分析します。

1位:ぺんてる オレンズネロ(約3,000円)

なぜ中学生が狂うのか:「芯が折れない」という魔法のような技術。0.2mmという極細芯でも折れないので、細かい文字を書く中学生には革命的。YouTubeで「オレンズ神話」として語り継がれ、一度使うと普通のシャーペンには戻れないと言われる恐ろしい中毒性があります。

2位:三菱鉛筆 クルトガダイブ(約5,500円)

**なぜ中学生が狂うのか:**芯が自動で回転して常に尖った状態を保つ「クルトガエンジン」搭載。メタルボディの高級感と、文字が美しく書ける機能性の両立。「これ使ったら字が上手くなった気がする」という錯覚効果も絶大です。

3位:ぺんてる スマッシュ(約1,100円)

**なぜ中学生が狂うのか:**製図用シャーペンの「入門機」として最適な価格帯。低重心設計で長時間使用でも疲れにくく、「本格派デビュー」感が得られる。コスパ最強として口コミで広がり、「最初の一本」として選ばれがち。

4位:ロットリング 600/800シリーズ(約7,000円〜12,000円)

なぜ中学生が狂うのか:「プロ仕様」という魔法の言葉。フルメタルボディの重厚感は「大人の道具」感を演出し、所有欲を完全に満たします。建築家やデザイナーが使っているという「憧れ効果」も強力。ペン先格納機能という実用性も備えた「完璧な文具」として君臨。

5位:ステッドラー 925シリーズ(約2,000円〜4,000円)

なぜ中学生が狂うのか:「ドイツ製」というブランド力。シルバーの洗練されたデザインは「ヨーロッパの品質」への憧れを刺激し、製図用具の老舗というストーリー性も魅力。比較的手の届く価格で「本物感」が得られるコスパの良さ。


🏠 我が家の戦利品コレクション – 入学祝の行方

💸 息子が選んだ2本の「投資」を徹底検証

【親の本音】 正直、最初は「シャーペンごときに何千円も…」と思ってました。でも、息子がこれらのシャーペンで本当に丁寧に勉強するようになったんです。字も綺麗になったし、道具を大切に扱うようにもなった。これって、意外と良い投資だったのかも?


1本目:ロットリング800(おじいちゃんの入学祝 8,000円の成果)

息子の購入理由: 「YouTubeで建築家の人が使ってて、めちゃくちゃかっこよかった!これがあれば僕も建築家になれる気がする」

項目 詳細
ペン先格納機能 ポケットに安全収納、確かに実用的
ボディ素材 フルメタル製、重厚感と安定性抜群
軸形状 六角形軸、グリップ性向上・転がり防止効果
用途 製図プロ仕様、精度の高い線が引ける
価格帯 7,000円〜12,000円、息子チョイスは中程度

使用1ヶ月後の息子評価: 「やっぱり重みがちょうどいい。普通のシャーペンだと軽すぎて物足りない。数学の図形がめちゃくちゃ綺麗に描けるよ!」


2本目:カヴェコ スペシャル PS-05(通称「KAWECO」6,500円の追加投資)

息子の購入理由: 「ロットリングは重いから、軽くておしゃれなのも欲しい。友達もみんな『カヴェコ』って呼んでてかっこいい!八角形のデザインもめっちゃクール」

項目 詳細
ブランド KAWECO(カヴェコ)、1883年創業ドイツの老舗
創業者 ハインリッヒ・コッホ(Koch)とルドルフ・ウェーバー(Weber)の二人の名前から命名
デザインコンセプト 1930年代の事務用ペンシルをイメージしたクラシカル設計
素材 アルミ素材(マットブラック仕上げ)
軸形状 八角形軸、手にフィット・転がり防止
重量 約16g(程よい重量感、長時間使用に最適)
サイズ 長さ140mm×直径10mm(細身で持ち運びやすい)
機構 ノック式、芯径0.5mm
価格帯 約5,000円〜7,000円

使用1ヶ月後の息子評価: 「八角形だから転がらないし、持った時の感触がすごくいい。アルミだから軽くて長時間使っても疲れない。ロットリングは『本気モード』、カヴェコは『日常モード』で完璧に使い分けてる!」


🔬 カヴェコ PS-05 深掘り分析 – なぜ中学生に人気なのか

息子がカヴェコを選んだ理由を、業界人として詳しく分析してみました。

📖 歴史とストーリー性

1883年創業という140年以上の歴史を持つドイツの老舗ブランド。創業者二人の名前を組み合わせた「KAWECO」というネーミングも、中学生には「ストーリーがある文具」として魅力的に映るようです。

🎨 1930年代のクラシックデザイン

現代的なデジタルデザインとは一線を画す、レトロでクラシカルなデザイン。「おじいちゃん世代の事務用ペンシル」というコンセプトが、逆に新鮮でおしゃれに見えるという逆説的な魅力があります。

🔷 八角形軸の機能美

単なるデザインではなく、実用性も兼ね備えた八角形:

  • フィット感: 手に持った時の独特のグリップ感
  • 転がり防止: 机から落ちにくい安心設計
  • 疲労軽減: 長時間の筆記でも疲れにくい
  • 視覚的美しさ: シンプルながら幾何学的な美

⚖️ 絶妙な重量バランス(16g)

ロットリング800より軽量でありながら、安っぽくない程よい重量感。「重すぎず、軽すぎず」という絶妙なバランスが、中学生の長時間勉強に最適だと評価されています。

💰 価格とブランド価値のバランス

5,000円〜7,000円という価格帯は、中学生のお年玉・入学祝いで手が届く範囲。しかし、140年の歴史を持つドイツブランドという「本物感」があり、所有する満足度が非常に高い商品です。

【業界人の視点】 カヴェコは文具業界では「知る人ぞ知る」ブランドでした。しかし、YouTubeで「神シャーペン」として紹介されてから、中高生の間で爆発的に人気が出ました。特に「かべこ」という愛称が口コミで広がり、ブランド認知が一気に高まったのが特徴的です。

🌟 中学生からの実際の口コミ(息子調査)

  • 「八角形が持ちやすくて、3時間勉強しても全然疲れない」
  • 「ロットリングは重いけど、カヴェコは軽くて毎日使える」
  • 「クラスで『それカヴェコじゃん!』って言われると嬉しい」
  • 「シンプルだから学校にも気軽に持っていける」
  • 「ドイツ製っていうのがなんかかっこいい」

🧠 なぜ人はシャーペンに「狂う」のか – 文具沼の深層心理

息子の行動を毎日観察していて気づいたのは、これが単なる「物欲」じゃないということ。画材・文具業界に長くいる私から見ても、興味深い心理現象でした。

【観察日記より】 息子、シャーペンを机の上に並べて眺めてる時間が増えた。使い分けも真剣で、数学はロットリング、国語はカヴェコ、みたいなルールがある。これ、完全にコレクターの心理ですよね…。

🎨 創造性への欲求

良いシャーペンを使うことで、「もっと綺麗に書きたい」「もっと精密に描きたい」という創造的な欲求が確実に刺激されています。息子も「このシャーペンだと字が上手く見える」と本気で信じており、実際に丁寧に書くようになりました。

🏆 収集欲とコンプリート願望

「次はステッドラーも試したい」「0.3mmと0.7mmの違いも知りたい」という無限ループ。ポケモンカードやゲームと同じ心理が働いています。デジタルネイティブ世代が物理的なモノに向ける貴重な情熱かもしれません。

💎 自己表現とステータス性

高価なシャーペンは中学生にとって重要なステータスシンボル。「文具にこだわりを持った人」「センスの良い人」という自己表現の手段として機能しています。クラスで「シャーペン見せて」と言われるのが嬉しいそうです。

🔧 道具へのこだわりと職人気質

「良い道具を使えば良い結果が出る」という信念。これは日本人が古来から持つ職人気質の現れです。中学生なりに「プロの道具」への憧れと敬意を抱き、それが勉強への意欲向上にも繋がっています。


🔮 この「狂走」はどこまで続くのか – 親から見た文具狂走曲

📈 ブームの持続性についての業界分析

画材・文具卸の現場から見ると、このシャーペン狂走は一過性ではありません。以下の理由から、文具業界の構造的変化として定着していく可能性が高いです:

  • デジタル疲れからの反動: スマホ・タブレット漬けの反動で「手書き」への回帰欲求が強い
  • SNS映え効果: 「おしゃれな文具」として継続的に拡散される構造
  • メーカーの本気度: 各社が中高生向け市場に本格参入、技術革新も加速
  • 教育現場の理解: 「良い文具=学習意欲向上」という認識が広がりつつある

🌟 業界への影響(卸業者の実感)

実際の取引現場でこんな変化を感じています:

  • 中高生向けプレミアム市場急拡大: 従来の10倍の売上ペース
  • YouTuberコラボ商品好調: 影響力の大きさを実感
  • 機能性重視の開発競争: 各社の技術開発が活発化
  • 文具店の変化: 「体験型店舗」「試し書きコーナー」が標準装備に
  • 海外ブランドの日本参入: カヴェコのような欧州ブランドが注目

📝 この狂走曲の終幕はいつ?

あの日、おじいちゃんからの入学祝いを握りしめて「勉強頑張る」と言った息子。画材・文具の卸をやってる親として調べれば調べるほど、この「シャーペン狂走」の奥深さに驚かされました。

【1ヶ月後の現実】 息子の成績、本当に上がりました。特に数学と理科。図やグラフを描くのが楽しくなったらしく、ノートも格段に綺麗になった。「良い文具=やる気アップ」って、案外バカにできないんですね。ロットリング800で図形を描き、カヴェコPS-05で文字を書くという使い分けも定着しました。

でも、息子がロットリング800で丁寧に文字を書いている姿、カヴェコPS-05を大切にペンケースにしまう姿を見ていると、単なる「物欲」じゃないんだなって思うんです。**「良いものを知り、大切にする心」**を育んでいるのかもしれません。

デジタル全盛の時代だからこそ、「手で書く」ことの価値を見直している中学生たち。最初は「高すぎる!」と思った私ですが、今では「これも立派な教育投資」だと割り切っています(笑)。

このシャーペン狂走曲は、まだまだ続きそうです。でも、それも悪くない。良い道具への憧れ、職人への敬意、モノを大切にする心——これらは、息子の人生にとって大切な財産になるはずです。


「今度はステッドラーの限定色が欲しいんだって…」

そんな息子の次なる「殺し文句」に備えながら、今日も画材・文具業界の動向をウォッチしている、一人の父親の物語でした。同じような体験をされている親御さん、一緒に頑張りましょう!お年玉シーズンは特に要注意です(笑)。

追伸: 結局、息子の成績は本当に上がりました。約束は守る男に育ってくれているようです(ホッ)。ロットリング800とカヴェコPS-05、2本とも買って正解だったかも?特にカヴェコは毎日使っているので、コスパ的には優秀でした。

追追伸: 画材・文具の卸業者として言わせてもらうと、この業界、今めちゃくちゃ面白いです。中学生、侮れません!特にカヴェコのような「歴史あるヨーロッパブランド」が口コミで広がる現象は、業界人として大変興味深いです。


この記事が、同じように子どもの文具熱に戸惑っている親御さんの参考になれば幸いです。 良い文具との出会いが、子どもたちの学習意欲と創造性を育むきっかけになることを、 一人の親として、そして業界人として、心から願っています。

ロットリング800とカヴェコ PS-05、2本とも素晴らしいシャーペンです!

🖌️ 画材筆の世界から見たシャーペン狂走曲

画材・文具卸業者として伝えたいこと

息子のシャーペン狂走を見ていて、私は自分の本業である「画材の筆」のことを思い出しました。実は、シャーペンに狂う心理と、画材筆にこだわる心理は、驚くほど似ているのです。
※女性は特に水彩絵具・水彩筆にハマります。

画材・文具の卸業を長年やってきた私から見ると、今回の中学生シャーペンブームは、実は「道具へのこだわり」という普遍的な価値観の表れなんです。そして、その延長線上にあるのが、我々が扱っている専門性の高い画材の筆の世界なのです。

🎨 画材筆とシャーペンの共通点

息子がロットリング800やカヴェコPS-05を語る時の目の輝きは、画家が自分の愛用する筆を語る時の表情と全く同じです。

共通する価値観:

  1. 道具への敬意 – プロが使う道具への憧れ
  2. 機能美の追求 – 美しさと機能性の両立
  3. 使い心地の探求 – 自分に合った一本を見つける喜び
  4. 職人技術への理解 – 製造工程や素材への興味
  5. 長く愛用する価値 – 使い込むほどに愛着が湧く

🖌️ 画材筆の奥深い世界

私たちが扱っている画材の筆は、シャーペン以上に専門性が高く、奥深い世界です。

📚 筆の種類と専門性

日本画の筆:

  • 面相筆 – 細密描写用、イタチ毛を使用
  • 隈取筆 – ぼかし・グラデーション用、羊毛や馬毛
  • 平筆 – 広い面を塗る、イタチ毛やリス毛
  • 線描筆 – 輪郭線用、コシの強いイタチ毛

洋画(油彩・アクリル)の筆:

  • 豚毛筆 – 油彩の定番、硬くてコシが強い
  • 高級ナイロン筆 – アクリル用、耐久性が高い
  • セーブル筆 – 最高級、コリンスキーセーブル(イタチ科)
  • 馬毛筆 – 水彩用、柔らかく水含みが良い

水彩画の筆:

  • 丸筆 – オールマイティ、高級ナイロンやセーブル
  • 平筆 – ウォッシュ技法用、馬毛やリス毛
  • 面相筆 – 細部描写用、日本画筆が最適

💎 最高級筆の世界

シャーペンでロットリング800が約8,500円と聞いて「高い!」と思った私ですが、画材筆の世界では、一本数万円から十数万円という筆が存在します。
※コリンスキーセーブル希少価値!!

高級筆の例:

  • コリンスキーセーブル丸筆(最高級) – 5,000円〜50,000円

なぜこんなに高いのか?

  1. 天然素材の希少性 – コリンスキーセーブルはシベリア産イタチの尾毛のみ使用
  2. 職人の手作業 – 熟練職人が一本一本手作り
  3. 伝統技術の継承 – 何百年も続く製法
  4. 使用感の違い – 筆運び、水含み、発色が全く違う
  5. 耐久性 – 適切な手入れで一生使える
  6. 入荷未定 – 狩猟職人後継者不足による良質な毛が確保できない

🎯 息子に伝えたいこと

【ある日の会話】

私:「お前、ロットリング800が8,000円で高いって言ってたよな?」

息子:「うん、めっちゃ高いよね!」

私:「実はな、お父さんが扱ってる画材の筆には、一本数万円を超えるものもあるんだ」

息子:「えっ、筆が数万円!?」

私:「そう。でもな、プロの画家さんは、その筆を30年、40年と使い続けるんだ。毎日手入れして、大切に扱って。そうすると、筆が画家の手に馴染んで、思い通りの線が引けるようになる。また、仕事となるとなおさら道具は大事なんだよ!」

息子:「…それって、俺がシャーペンを大事にしてるのと同じ?」

私:「そうだよ。道具を大切にする心は、シャーペンも筆も同じ。お前がロットリングやカヴェコを大事に使ってる姿を見て、お父さんは嬉しかったんだ」

🌟 専門性の高い筆の選び方

画材の筆は、シャーペン以上に「自分に合った一本」を見つけるのが難しい世界です。

選び方のポイント:

  1. 用途を明確に – 何を描くか(油彩、水彩、日本画など)
  2. 毛質の理解 – 天然毛とナイロン毛の違い
  3. サイズと形状 – 描きたい絵のスケールに合わせる
  4. 予算とグレード – 初心者は中級品から始める
  5. 手入れ方法の習得 – 筆は手入れで寿命が変わる

初心者への推奨:

高級筆を最初から買う必要はありません。まずは**中級品(2,000円〜5,000円)**で筆の扱いを学び、自分の画風が定まってから、本当に必要な高級筆を一本ずつ揃えていく。これがプロの世界でも王道です。
※筆の世界も研究が進み今では素晴らしいナイロン筆も色々発売しております。

🔧 筆の手入れ – 道具を大切にする心

息子がカヴェコPS-05を丁寧にペンケースにしまう姿を見て、私は思いました。「この子は、きっと将来、どんな道具でも大切に扱える大人になる」と。

筆の手入れの基本:

  1. 使用後は必ず洗う – 絵具を残さない
  2. 穂先を整える – 形を保つように乾かす
  3. 吊るして保管 – 穂先を下にして乾燥
  4. 定期的に手入れ – リンス入りのクリーナー等仕様
  5. 適切な保管 – 湿気と直射日光を避ける

これは、息子がシャーペンを大事にすることと全く同じです。道具を大切にする心は、すべてに通じるのです。

🎓 画材筆から学ぶ人生の教訓

画材・文具卸業を20年以上やってきて、私が学んだことがあります。

良い道具は人を成長させる

  • 良い筆を使うと、もっと上手く描きたくなる
  • 良いシャーペンを使うと、もっと綺麗に書きたくなる
  • 道具へのこだわりが、技術向上の原動力になる

道具への敬意は、仕事への敬意

  • プロの道具を知ることで、プロの仕事を理解する
  • 職人技術に触れることで、努力の価値を知る
  • 本物を知ることで、偽物を見抜く目が育つ

一生モノとの出会い

  • 1万円の筆を40年使えば、一年あたり2,50円
    ※さすがにここまでもてば神!
  • 息子のロットリング800を10年使えば、一年あたり800円
  • 長く大切に使うことで、本当の価値が分かる

📝 画材・文具卸業者からのメッセージ

息子のシャーペン狂走を通じて、私は自分の仕事の意味を再確認しました。

私たちの仕事は、単に商品を売ることではありません。

  • 創造する喜びを届けること
  • 良い道具との出会いを提供すること
  • 職人技術を次世代に伝えること
  • モノを大切にする心を育むこと

息子がロットリング800とカヴェコPS-05を大切に使う姿を見て、画材の筆を愛用してくださるお客様の顔が重なりました。

シャーペンも、筆も、同じ。

道具への愛着は、創造性を育み、技術を向上させ、人生を豊かにしてくれるのです。

🌈 未来への展望

今回のシャーペン狂走曲を経験して、私は確信しました。

次世代の子どもたちは、きっと「本物」を求めている

デジタル全盛の時代だからこそ、手で触れる道具の価値が再認識されています。シャーペンブームの次には、もしかしたら「画材ブーム」が来るかもしれません。

実際に、最近の取引先からこんな声を聞きます:

  • 「中高生向けの入門用画材セットが好調」
  • 「YouTubeで絵を描く動画が人気」
  • 「本格的な筆に興味を持つ若者が増えている」

息子がシャーペンから始まって、いつか画材の世界に興味を持ってくれたら…そんな淡い期待を抱きながら、今日も画材・文具卸の仕事に励んでいます。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

筆メーカー勤務。アートポータルサイト「筆選=Hudesen」運営者。画材専門ブログとして始まった小さな挑戦が、今では画材を中心としたアートポータルサイトへ進化。画材業界とアート文化の架け橋を目指しています。