こんにちは!今日は東京芸術劇場で開催中の「IAG AWARDS 2025 池袋アートギャザリング公募展」に行ってきました。受付のお手伝いをしながら、弊社が提供する「名村大成堂賞」の受賞者選出という大役を果たしてきたので、その様子をレポートします!
池袋モンパルナス20周年、記念すべき年
今年2025年は「池袋モンパルナス回遊美術館」が20周年を迎える記念すべき年なんです。
池袋モンパルナスって何?と思う方もいるかもしれませんね。昭和初期から戦後にかけて、池袋西口周辺には全国から若き芸術家たちが集まり、切磋琢磨しながら創作活動に励んでいました。このコミュニティは、パリの芸術の街「モンパルナス」にちなんで「池袋モンパルナス」と呼ばれていたんです。当時を知る画家・野見山暁治さんは、この場所を「歯ぎしりのユートピア」と表現しています。
2006年に始まった「池袋モンパルナス回遊美術館」は、この精神を現代に受け継ぎ、「街のどこもが美術館」をコンセプトに、池袋という街全体をアートで彩るプロジェクト。東京芸術劇場を中心に、東武百貨店、立教大学、地域ギャラリーなど、街のあちこちがアート会場になります。
そして、そのメインイベントが今回の「IAG AWARDS 2025」です!
東京芸術劇場で輝く才能たち
東京芸術劇場は、池袋のアートシーンを支える重要な拠点。1990年の開館以来、豊島区の文化芸術の発信地として機能してきました。池袋モンパルナスの画家たちが活躍した西口エリアに位置し、まさに芸術の街・池袋を象徴する場所です。
今回の会場となった東京芸術劇場のギャラリー1&2には、全国から応募のあった約400名の中から一次審査を通過した約50名のアーティストによる力作が並んでいました。平面作品、立体作品、映像作品、マンガ的表現を取り入れた作品など、ジャンルも表現方法も実に多様。どの作品も完成度が高くて、正直めちゃくちゃ迷いました…。
「名村大成堂賞」選出の視点
弊社は筆を製造しているメーカーです。小売店さんを通じて、アーティストの皆さんの創作活動を支えることが私たちの使命。
「名村大成堂賞」を選ぶときに大切にしているのは、「この方に弊社の筆を使っていただいて、さらに素晴らしい作品を生み出してほしい」という想い。技術的な完成度はもちろんですが、筆という道具を通じて自分の世界観を表現しようとする姿勢、制作プロセスへの真摯な向き合い方が作品から伝わってくるかどうかを大切にしています。
芹澤美咲さんに決定!
今回、様々な作品を拝見する中で、芹澤美咲さんの作品に出会いました。
芹澤さんは2002年埼玉県生まれ。埼玉県立芸術総合高等学校 美術科を経て、2024年に東京学芸大学 教育学部 中等教育教員養成課程 美術専攻を卒業。現在、東京藝術大学大学院 美術研究科 修士課程 絵画専攻 壁画研究分野の2年生として在籍中の若手アーティストです。
FACE展(SOMPO美術館)に2022年・2023年と2年連続入選、第18回世界絵画大賞展(東京都美術館)にも入選するなど、着実にキャリアを積み重ねています。個展も精力的に開催し、2025年にはREIJINSHA GALLERYで『光を象るために溜めた陽と術、手』を開催するなど、表現の幅を広げ続けています。
淡路島での滞在制作から生まれた作品
今回の展示作品は、2025年3月に淡路島での滞在制作で生まれた作品群。関東平野の中心で育った芹澤さんが、海や山に囲まれた環境で感じた空気や時間の流れの変化が、作品に色濃く反映されています。
特に大作「大きな耳を背負う」は、淡路島の家具職人さんの工房で出会った大きな椅子にインスピレーションを得た作品。たくさんの小さな声を抱き留めながら、静かに”自分自身”を生きる姿が描かれています。キャンバスにパステル、コーヒー、油彩を用いた、高さ162cm×幅130cmの力作です。
作品を前にした瞬間、「この方には絶対に弊社の筆を使っていただきたい!」と直感的に感じました。
繊細でありながら力強い筆致、色彩の絶妙なコントロール、そして作品全体から溢れ出る表現への真摯な姿勢。芹澤さんの作品からは、筆の一本一本の毛の動き、絵具の含ませ方、そしてキャンバスとの対話——そうした制作プロセスの一つひとつを大切にされていることが伝わってきました。
油画を中心に、パステル、水彩、アクリル、モルタル、顔料など多様な素材での表現を模索している芹澤さん。「弊社の筆を持って制作している芹澤さんの姿」がありありと浮かんできたんです。
芹澤さんご自身がステートメントで書かれているように、「他者の声と内なる声が交差する場に身を置き、変化を受け容れながら安心して生きる」——その感覚を作品を通じて共有しようとする姿勢に、深く共鳴しました。
Five Starプロジェクト——画材メーカーが手を組んだ!
IAG AWARDSには弊社がオーガナイズする「Five Star」という画材メーカーコラボレーションプロジェクトも関わっています。
Five Starは、弊社・名村大成堂(私が実行委員長)がオーガナイズする5つ星画材ブランドプロジェクト。今年は名村大成堂、ミューズ、ファーバーカステル、クサカベ、ウィンザー&ニュートンの5社が手を組んで、池袋のアーティストたちを応援する企画です。
今年2025年5月には、IAG AWARDSの入選者を中心とした「IAG ARTISTS SELECTION 池袋回遊派美術展2025 with Five Star」を自由学園明日館講堂で開催しました。各ブランドブース出展によるワークショップ、またゲストアーティストによるライブペインティングなどのスペシャルイベントを実施。アーティストと画材メーカー、そして来場者が直接交流できる貴重な機会となりました!
画材メーカー・アーティスト・行政が一体となって
今回の展示会に参加して改めて感じたのは、池袋のアートシーンの厚み。
東京芸術劇場という文化施設、東武百貨店などの商業施設、立教大学などの教育機関、豊島区という行政、そして地域ギャラリーや画材メーカーなどの企業が、それぞれの立場で協力し合い、若手アーティストを発掘・育成する仕組みができています。
IAG AWARDSでは、大賞・準大賞・奨励賞のほかに、地域ギャラリーや企業による各賞が設けられていて、受賞者には個展開催権などが副賞として与えられます。つまり、才能あるアーティストが次のステップに進むための具体的なチャンスが用意されているんです。
私たち画材メーカーにとっても、アーティストの皆さんが活躍すればするほど、良い筆を作ろうというモチベーションが高まります。アーティストが成長し、作品が多くの人に届き、それがまた新しい才能を刺激する——そんな良い循環が生まれています。
芹澤さん、そしてすべてのアーティストへ
芹澤美咲さん、「名村大成堂賞」の受賞、おめでとうございます!今回の受賞が、さらなる飛躍のきっかけになれば嬉しいです。
そして、今回出品された全てのアーティストの皆さんに敬意を表します。約400名の応募の中から選ばれた約50名の入選者の皆さん、どの作品も素晴らしく、賞の選考は本当に悩みました。それぞれの表現を追求し続けてください。
池袋モンパルナスの「歯ぎしりのユートピア」——創作の苦しみと喜びを分かち合いながら、互いに高め合う精神は、20年経った今も確実に受け継がれています。
あなたもIAG AWARDS 2026にチャレンジしませんか?
そして、嬉しいお知らせです!IAG AWARDS 2026の作家募集がすでに始まっています!
2026年5月15日〜24日に東京芸術劇場で開催される「IAG AWARDS 2026 EXHIBITION」に向けて、現在アーティストを募集中です。
IAG AWARDS 2026 募集概要
**応募締切:**2026年3月8日(日)
**参加費:**5,000円(税込)
**応募資格:**年齢・国籍・ジャンル不問
**募集作品:**平面・立体・映像・マンガ的表現・インスタレーションなど、屋内ギャラリーで展示可能なオリジナル作品(テーマ自由)
魅力的な賞の数々
- IAG大賞・準大賞・奨励賞
- 審査員賞・漫喜利賞・豊島区長賞・オーディエンス賞
- 裏小樽モンパルナス特別賞(小樽市での個展開催権!)
- 長野市芸術館特別賞(長野市芸術館での展示機会!)
- IAGパートナーズ各賞(地域ギャラリーでの個展開催権など)
- 東武百貨店ギャラリー賞
- C-DEPOT賞
- WACCA池袋賞
- 栗原画廊賞
- ギャラリー上り屋敷賞
- ギャラリー路草賞
- B-gallery賞
- ターナーギャラリー賞
- GALLERY KAMON Irie賞
- 名村大成堂賞
- 八犬堂ギャラリー賞
- ほか
地方都市との連携や、ギャラリーでの個展開催権など、アーティストとしてのキャリアアップに直結する機会がたくさん用意されています!
審査員長は東京藝術大学の押元一敏准教授
審査員長には画家で東京藝術大学 美術学部 准教授の押元一敏氏、審査員には金丸悠児氏(画家、C-DEPOT代表)、松井えり菜氏(美術家)、渡辺おさむ氏(現代美術作家)など、第一線で活躍する審査員が揃っています。
来年春、池袋でお会いしましょう!
画材メーカー、アーティスト、ギャラリー、行政、そして地域の皆さんが一つとなって、池袋からアートを盛り上げていく——そんな素敵な動きが、どんどん大きくなっています。
2026年春にも、今年のような「IAG ARTISTS SELECTION 池袋回遊派美術展 with Five Star」が開催されるといいですね!
今回受賞された芹澤さんをはじめ、IAGアーティストの皆さん、そしてIAG AWARDS 2026にチャレンジする新しい才能の皆さんと、来年も池袋でお会いできることを楽しみにしています!
IAG AWARDS 2025は11月30日(日)まで東京芸術劇場で開催中。皆さんもぜひ、次世代を担うアーティストたちの熱気を感じに、足を運んでみてください!
IAG AWARDS 2025 池袋アートギャザリング公募展
会期:2025年11月21日(金)〜11月30日(日) 11:00〜19:00
※初日は14:00開場、最終日は16:00まで
会場:東京芸術劇場 5階 Gallery 1&2
入場無料
IAG AWARDS 2026 作家募集中!
応募締切:2026年3月8日(日)
参加費:5,000円(税込)















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