第27回_仮縁と本縁のハナシ

キャンバスのみみのハナシは次回以降に回します。今回は仮縁(かりぶち)と本縁(ほんぶち)のハナシです。

美術関係者でもこれらの違いを知らない人がいるので、まずは基本からお話しします。


本縁と仮縁の違い

本縁(ほんぶち=本額縁)とは、その作品を永続的に使うための額縁です。アクリル板やマット、裏板、箱が付属しており、木製で金箔や銀箔などで仕上げられた豪華なものです。

仮縁(かりぶち=仮額縁)とは、主に展覧会で作品を見せるための額縁です。組み立て式で、アクリル板や裏板は付属していません。展覧会が終わったらバラして保管し、次の機会に使い回すことができます。


仮縁の種類

仮縁には大きく分けて2つの種類があります。金属製の仮縁と木製の仮縁です。

金属製の仮縁は、特殊な名称で呼ばれています。アルミ製の仮縁はアルフレーム、ステンレス製の仮縁はステンフレームと呼ばれます。

木製の仮縁には特別な呼び名はなく、そのまま「木製の仮縁」と呼ばれます。


オリジン社のアルフレーム仮縁

仮縁にはいろいろなメーカーがありますが、当社ではオリジン社のアルフレーム仮縁を推奨しています。

オリジン社は、フジカラー・フィルムで有名な富士フィルム株式会社(旧富士写真フィルム株式会社)の子会社です。そのため、廃業や倒産の心配がなく、安心して長期的に使用できます。

おすすめは、CDシリーズ(幅30mm)です。幅が30mmあるため、見栄えが良く、学校での使用に最適です。

また、C-40シリーズ(横ビス方式)もあります。横からビスで止める方式のため、作品の裏にビスの頭が出ず、壁面にピッタリと付けられます。ただし、多少値段が高くなります。


学校で購入する際の注意点

学校で仮縁を購入する場合、コーナー金具(四隅を固定する部品)や木ネジ(ビス)などの予備パーツを必ず購入しておくことをお勧めします。これらは壊れやすい消耗品です。

木ネジはホームセンターでも購入できます。サイズは12mm~15mm程度が適切です。長すぎるビスを使うと、キャンバスの裏板を突き破ってしまう可能性があるので注意してください。


次回は、キャンバスのみみのハナシに戻ります。

【第27回終わり】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

こちらは現在担当しているエリアの方でその方が限定した方にのみ送っているメルマガを許可を頂き配信しております。(管理人より)