※第35話前置き_経済学的な常識のおハナシ
これから第35回のメルマガを送りますが、その前に “前置き” です。
今年度から新日本造形の教材カタログの表紙に
【新日本造形の商品の取り寄せには送料が毎回 “実費” でかかっております。つきましてはカタログ記載の税込み価格の合計で5,500円以下のご注文の場合、送料の実費ご負担をお願い申し上げます】と書かれたシールを貼っております。
(ただ、すべての先生宛てに貼っているわけではなく、毎回結構な金額をまとめてくださる学校には貼っておりません)
しかし、金額をまとめてご注文いただいても…実は新日本造形という会社は、一般の通販会社とは違って『○○円以上なら送料サービス』とか『出荷箱数が4箱以上で送料無料』というようなサービスは一切無く、むしろ箱数が増えたら増えただけ送料も増え、1回の荷物 (1校分) の送料が2,000円を超えたことも過去にありました
正直、来年度は5,500円とかで区切らず、かかった送料はすべて学校にご負担願おうか…とも考えておる所です。
なぜなら、教材カタログの商品は仕入れ代金が高く、儲けが少ないんですわ。
まあ、5,500円を超えるご注文の送料をどうするかはじっくり考えるとして…とりあえず5,500円以下のご注文には、送料のご負担をお願いしております。
特に…ほんの少量のご注文となると、今までのやり方でやっていては経営を圧迫することになりかねませんので、みなさんにもご協力いただけたらありがたく思います。
新日本造形の物流倉庫は神奈川県の厚木近辺らしいんです。なので、注文したものはすべて直送で届きます。送料はだいたい1回の荷物で税込み420円です。普通の宅急便と比べたら確かにだいぶ安いんですが、ごく少量のご注文に対する送料をウチが負担していてはウチの儲けがゼロか、ヘタするとマイナスになるんです。
そういうわけでメルマガ本編で、経済学的な常識のおハナシと…一部の先生からの送料負担に対する反発もあったので、そのあたりのハナシをさせていただきます。
※3ダースは、美大ではなく経済大学の出身なので(笑)
【前置き終わり】
ホントはタブーな…お値段のハナシ
みなさん、お値段 (納品価格とか送料) のこと、どう考えてらっしゃいますか?
ウチの先代の社長が言ってました。

一応ウチでは教材関連は値引きして納品しています。
目安として消費税分の金額をカットし、本体価格を納品価格としています。
これを若干誤解なさっている先生もいらっしゃるかもしれません。
『3ダースは消費税を脱税している』…と。

例えば税込み3,300円の商品。
これをウチは3,000円で学校に納品しています。
この3,000円が、そのままウチのフトコロに入るワケじゃありませんからね。
3,000円の取り引きがあったなら、それに対して国は273円を消費税として後日ふんだくって行くんです。
(半年に1回のタイミングで、半年分の消費税をまとめて持っていかれます)
つまり、ウチの手元には2,727円しか残らないのです。
で、3,300円の商品を仕入れるにはそれなりの “仕入れ代金” がかかります。
ウチが値引きして売ろうが定価で売ろうが、基本的に仕入れ代金は変わりませんから、値引きするなら手元に残る金額はグンと少なくなります。
(いくつかの条件が揃うと、仕入れ代金が安くなる事も…あります)
さらに、商品の取り寄せに送料がかかる場合もありますよね。

誰が負担する “べき” なのか?
経済学的観点に立てば、『受益者負担の原則』という考え方から、受益者…つまり、商品を購入する者 (消費者) が商品の代金を支払い、それに付随する経費 (送料など) が存在するのならそれもその者が負担する…というのが当然の原則なのです。
『受益者負担の原則』とは?
あら、少し難しいですか?
では…ちょっとウィキペディアを覗いてみましょう。
【受益者負担の原則(じゅえきしゃふたんのげんそく、beneficiary-pays principle、user-pays principle)とは、原則として市場経済において、市場の失敗が生じない限り、利益を受けるもの(受益者)が市場で決まる価格を支払い(負担し)、その経費及び生産者への利益へ回す仕組みが最適となることを述べたものである。
基本的に受益者は、財・サービスの購入によって、その支払い額以上の便益(利益)を得る。】
参照:Wikipediaより
う~ん、もっと難しくなっちゃいましたね。
もはや、何言ってるのか全然わかりませんね。

販売者と購入者 (消費者) がいます。
売買によって、販売者の方が得をするのか?
それとも購入者の方が得をするのか?
これは『購入者の方が得をする』…と考えるんです。
なぜなら、販売者は売ることで『商品と等価の代金』を得ますよね。でも、購入者は代金を払った以上の価値 (便益) を得られるからです。
それはどういう事かというと、購入者はどう頑張ってもその商品を自分で作り出すことは出来ませんよね? (作れる人なら、わざわざ買いませんからね)
だから代金を支払ってでも、自分では作り出せないような素晴らしい価値の有る “商品” を手に入れたい…という欲求が購入者側には有り、その欲求を売買によって満たせるわけです。
普通…購入者は『買って良かった』っていう気持ちになりますよね? 詐欺的商法にひっかかったりしない限りは…。
一方、その商品を欲しいなどと…ちっとも思わない人には、代金以上の価値どころか代金と同等の価値すらあるとも思えないでしょう。
当たり前です。
つまり、その商品を欲しくない人にはとても認められないような “隠れた価値 (便益) ” を、その商品を欲しがってる人は…商品を購入することによって『享受』できるのです。
(享受 = 受け入れ、我が物として味わい楽しむこと)
これが、ウィキペディアで書いてある “代金以上の価値 (便益) がある” …ってことなんです。
(もう少し詳しい説明を、この後に送る『補足』に書いておきます。後でお読みください)
どうですか?
ここまで、ついて来れてますか?
つまり、この取り引きで得をしたのは…購入者です。
その得をする購入者が、代金はもちろん…その取り引きにかかるコスト ( = 経費…例えば送料) も負担するのは当然なのです。
特に、ウチと学校との取り引き形態を見ますと…まず学校からの『ご注文』があり、ウチの在庫で対応できるならそれを学校に届ける。在庫で対応できない商品なら…ご注文を受けてから問屋などへ発注して商品を取り寄せ、学校に届ける。つまり、学校からのご注文があってから取り引きが開始されます。
そのご注文をなさる際に、『送料をご負担願います』と書いてあるカタログから商品を選んだのであれば、購入者が送料をご負担なさるのが常識かと思います。
それをもし、販売者の側が送料を負担すべきだという事になると…販売者は商品と “等価の代金” しか得ていないにもかかわらず、その代金から送料を支出する羽目になりますよね?
“等価” とは、それによって再生産がなされる…と考えられます。
再生産とは、再び同じ商品を作り出す (あるいは仕入れる) こと。
つまり、等価の代金の中には…売った商品と同等の商品を次にまた用意 (再生産) するための原材料費だったり仕入れ代金だったり、再生産に必要な…燃料代・電気代・人件費や様々なメンテナンス経費も含まれていると考えられますから、この再生産に使われるべき “代金” から “最初の取り引きにかかった送料” を支出する事なんか出来ないのです。
それは受益者負担の原則にも合いません。
購入者ほどの利益を得ていない販売者が送料を負担してしまうと…再生産に回せる資金が不足してしまうため、再生産はそこで止まり、企業活動は停止せざるを得ません。
購入者 (学校) は…商品を欲しいのにもかかわらず、その送料などのコストを負担するつもりなんかさらさら無い…と言うのなら、それはハナから受益する資格が無いってこと。
まぁ、分かりやすく言うと、『送料ごときをケチるんなら、結局はそれほど買いたくないってことだったんじゃないですか?』ってこと。
『欲しいと思わない人にはわからないような “素晴らしい価値 (便益) ” を、自分が “享受したい” という欲求が…本・当・に・有るのなら、代金も送料も負担してくださいよ!』ってことです。
なぜなら、この取り引きにおいて…購入者こそが最大の受益者になるのは確実なんですから。
…と言うのも、購入者は値引き等のサービスを販売者から受けています。販売者は利益の一部を手放してまで、購入者の支出を抑えてくれているのだから…購入者の得る利益 (便益) は格段に大きくなっています。当然、最大の受益者である購入者が…代金だけでなく送料などのコストも負担すべきなのです。
(それでも送料を負担できないって言うのなら、商品価格に送料分の金額を上乗せせざるを得ません。まあ、合計金額は同じですがね…。伝票に『取り寄せ送料』と書かれるか、送料込みの商品単価で書かれるかの違いです)
一方、よく通販などで『送料無料 (つまり、購入者に送料は負担させない) 』という売り文句を見かけますが、あれは…○○円以上で送料無料とか、3セットまとめての購入で送料無料というのがよくあるパターン。
つまり、購入者が欲する量よりも多く売り付けることで、販売者側も利得 (利益) を得られるわけで、その “余分な利得” の部分の受益者は…販売者になります。
しかし当然、取り引きにおける “最大の受益者” は依然として購入者なわけですから、最も金額の大きい『代金』の部分を購入者が負担するんです。
そして…販売者は余分な利得の分の受益者だから、それに相当するコストである『送料』を負担する…。
通販で見かける “送料無料” はこういう仕組みですよ。
でも、教材販売はみなさんが慣れ親しんでいる通販のシステムとは全然違います。
経済学の大原則、“受益者負担の原則” で考えるのが当然なのです。
それに…みなさんは常に最大の受益者なのです。
欲しい商品が手元に届き、しかも代金は販売者が利益の一部を放棄することで値引かれた…安い金額で支払えば良い。
となると、取り寄せに送料がかかる商品を購入者の側が好んで選んだのであれば、受益者負担の原則に照らし合わせ…購入者が送料を負担するのが当たり前なんです。
どれだけ当たり前か…と言うと、最初の例に戻ってご説明しますね。
税込み定価で3,300円の商品を…値引いて3,000円で売って、ウチには2,727しか入らない。
そして仕入れ代金を問屋に支払い、その上…取り寄せ送料 (例えば420円) までもウチが負担してしまったのなら、な、な、なんと、ウチには1円も残らないんです。
販売者に取り寄せ送料を負担させると、販売者は1円も手元に残らないのに車を使って納品に行ってるってことになるんですよ。
ちょっとこれはバカバカしいハナシですよね。
画材業者は教員達の奴隷ですか?…ってハナシ。
だ・か・ら、とりあえず取り寄せる時に送料がかかってしまう商品を自らお選びいただいた場合は、実費の420円くらいは学校側でご負担願えませんか?…っていうお願いをみなさんにしてあるかと思いますが、なんと…これが通じないヒトがいました。
なんと…これが通じない!?
4月末、もう何年も続けてお取り引きいただいている学校の先生に…まだ今年度のご注文をいただけてなかったので、授業のことを心配してご連絡差し上げました。
そしたら、『今年はもう他社に注文しました』と…。
あっさり取り引きを打ち切られてしまいました。
なんでも、他社の方が絵具セットの価格が安かったから…とのこと。
また、取り寄せ送料がかかってしまう商品をご注文された場合の “実費” を『負担させられるのが疑問だ!』と…。

他社は、ウチが元々入っている学校に食い込もうとしているんだから、当然頑張って安い価格を提示するよね?
ウチは、基本的には先生からのご要望をいただかなければ、必要以上の安売りはしません。っていうか、安売りし始めたらキリがないんですよね。こっちも生活かかってるんだし。
つまり、“節度を保った値引き” を常々心がけております。
通常値引きを超える値引きに関しては、先生からご要望いただいてから検討し、もちろん下げられるところまでは下げますよ。(なお、この学校に例年納品していた絵具セットは、最初っから通常値引きよりも大幅に値引いて納品していました。ただ他社と競合…ということになれば、さらにもう少し下げる余地も…あるにはありました)
他の多くの学校では、絵具セットや張りキャンバスの購入の前に『いくらになります?』『安くできます?』『見積もり出してください』『生徒が買うんだから安くしてください』っていう風におっしゃってくださるんで、その都度その都度通常値引きより下げられるものは下げてますよ。
ご要望いただいているのに “下げません” だなんて言いません! 言うわけありません!
(ちなみに、書籍や映像ソフトは別ですよ。それらは “再販売価格維持” の観点から…著作権者の利益を守るべく、メーカー指定の “定価” を維持するカタチで当店は販売をしています。値引きをすることが違法になるわけではありませんが、法よりもモラルの観点で…値引きをすることは著作権者の利益を脅かす行為でしかありませんから、“再販売価格維持をすべき商品” に対する値引きの依頼はすべてお断りしております)
絵具セットなどのお値引きのご要望をいただいた場合、その他のすべての商品も同率に下げる…ってわけではありません。
前述の通り、値引きして売ろうが定価で売ろうが、ウチが負担している仕入れ代金は基本的には一緒。その仕入れ代金を割り込むような値引きなんて出来っこありませんから…。
値引きしやすい商品 (絵具セットや張りキャンバスなど) に限り、可能な範囲であれば…頑張ってお値引きいたします。

おっしゃってくだされば…。
でも、その…ウチとの取り引きを打ち切って他社に乗り替えちゃった教員は、ウチにひと言のご連絡もご相談もご報告も無かったんですわ。
なあ~~~~んにも言って来なかったんです。
事前にひと言ご相談してくだされば、こちらも下げた価格を提示できたのに…ひとっことの相談もなく、去年ウチが納品した価格と…ガツガツ入り込んできた他社が新たに提示した価格との比較で、決めちゃってるのよ。
前のメルマガにも別件の話題で書きましたが、比較する上で守らねばならない『条件を揃える』っていう大前提を守ってくれずに判断しちゃったんですよ、この教員は。
『3ダースサン、今年度はちょっと他社と比べなきゃならなくなったんで頑張って値引きしてよっ』ってひとこと言ってくれればいいのに。
仮にそういう事を言って来てくれてたのにウチがそれを無視し、価格交渉にも応じなかった…っていう事なら切られるのは仕方ないでしょうが、実際は教員の方がな~~~~~~んにも言ってこなかったんですよ、事前には。
こちらは授業のことが心配で、『ご注文がまだのようですが大丈夫ですか?』って、メールして…。
1日待っても返事がないから…今度はショートメールで同じ内容のメール送って、ようやく返答。
なんでも “新しい講師” が入って来たとかで、その講師にくっついて来た業者に一本化しちゃったんだとか。
みなさん、誤解なさっている先生もいらっしゃるかも知れませんが、ウチは先生方の異動情報なんて、知り得ません。
特に、事前 (3月中) に知り得るのは不可能ですよ。
よく、『情報持ってるんでしょ?』とか言ってくる先生もいますが、知ってるわけないじゃないですか!
当事者の先生が教えてくれない限り、わかり得ないんです。当たり前でしょ?
っていうか…事後 (4月以降) にも、本人や誰かが教えてくれない限り、わかりませんわ!
取り引きのある先生が異動する場合、新学期の授業に支障がないように業者に異動先を教えてくれたりもしますが、つまり情報源って…そこだけ。
そこだけ!
だから、その学校に新しく講師が来るとか…知るわけもないし!
元々そこに居る教員こそが、『新学期からもう一人講師が来るんだよ』ってウチに教えてくれなきゃわかんねぇし!
教えてくれない限り、知るわけねぇし!
新たに来る講師の側は、付き合いの有る業者に当然声をかけて…つまり “業者を連れて異動して来る” わけでしょ?
で、その元々居る教員いわく… “3ダースがいつまでたっても挨拶に来なかった” から、打ち切ったって。
ふ~ん、変なの!
連絡すらしてくれなかったクセに!
俺エスパーじゃねぇし!
教えてくれもしないのに、わかるわけねぇし!
『新しく講師が来るんですよ』とか『新しく講師が来たんですよ』って言ってもくれてないんじゃ…知れるわけねぇし!
っていうか、逆にそういうのを言われてもいないのにこっちが知ってたら…怖くね?
どうやらそのへんの “当たり前の事” がまったくわかってらっしゃらないヒトだったんでしょう、その元々居た教員は。
条件を揃えずに、価格の比較をしちゃうヒトですから…。
『異動情報をすべて知ってるはずなのに、3ダースはいつまで待っても挨拶に来てくれない』…なんて思ったんでしょうかねぇ?
俺、そんな情報収集力なんか持ってねぇし!
あくまでもフェアにやってるつもりだし!
フェアじゃねぇ業者と一緒にされたくねぇし!
カタログは3月中にちゃんと届けといたし!
それ以上の “挨拶” が欲しかったなら、呼んでくれりゃ~わざわざでも行ったし!
注文されてもいないし…呼ばれてもいないのに、新学期の忙しい時期、ノコノコ…納品の用も無ぇのに県北まで行かねぇし!
来てくれ、相談に乗ってくれ、新価格を提示してくれ…って言われたならもちろん行っただろうけど、一言も言ってくれてねぇし!
こっちは例年通り…普通に注文待ってたし。
授業に支障がないかが心配で連絡したんだし。
もう一人の講師が来てるなんて知らなかったし!
価格交渉にすらも乗らせてもらえず、取り引き相手が1校減っちゃったし!
メルマガの読者のみなさんならわかってもらえますよね?
それに、去年の高美展だって…『立体作品を出品したい』ってその教員が言うから、“ウチでは他校の平面作品と混載になりますから必ず梱包してください” って…あれほどお願いしたのに、搬入前に作品を預かりに行ったら “教室で使う机と椅子” が『作品』ってことで、剥き出しで置いてあっただけだし…。
“作品” に付属する教科書とかノートとか飲料パックとかの “パーツ” は確かに段ボール箱に梱包してあったけど、メインの机と椅子は剥き出しだったし!
ベタベタ大量の付箋が机に貼ってあって、机を少し動かしただけで付箋がポロポロ剥がれるし…!
『梱包しておいて欲しかったです。これじゃあ付箋もどんどん剥がれちゃいますけど…』って訴えたら『別に剥がれたり壊れたりしてもいいからそのまま運んで』ってその教員が…。

はぁ~??
はぁ~~~~~~???
そうじゃないでしょ?
梱包は、自分の学校の作品を守るためだけじゃなく、他校の作品に危害を加えないためにもする必要がある…ってこと、わっかんないのかなぁ!!
梱包してない “机” や “椅子” がトラックの荷室の中で暴れ回って、他校の油絵作品のキャンバスを突き破ったりしたらどうするの!…っていうようなことが想像出来ない教員なんでしょうね。
なんでそんなヒトが美術の教員なんか出来るんだろ?
3ダースメルマガの読者のみなさんならわかってもらえますよね?
梱包、必要ですよね?
梱包してない机や椅子は、他の作品にとって “凶器” ですよね?
他校の生徒さんの作品をもしも壊したり汚したりしたら、3ダースは1年間も罪の意識にさいなまれ続けるんですけど…、なんでお願いしておいた『梱包』すらしてくれないの?
『壊れてもいいからそのまま運んで』って、どういう意味?

それとも、壊れてもいいのは他校の作品のこと?
うわぁ~、怖っ!
3ダースはもう二度と加害者になりたくないし…加害行為に荷担もしたくないから、そーっと軽自動車で机と椅子を持ち帰り (でも、その帰りの行程ですら他校の油絵作品との混載だったんですよ。よくもまぁ『壊れてもいいから』なんて言って梱包を放棄できますよねぇ。信じられませんわ) 、無能な顧問に代わって机と椅子をまとめて梱包することにしました。
でも、もうウチの店舗内には搬入のために預かってる他校の作品で満パンだったので…梱包する作業スペースなんかとても作れず、机と椅子の採寸をしたり梱包のための段ボールを切ったりする作業はすべて屋外…。
夕方の帰社だったからあっという間に真っ暗。
それでも1時間半以上かけて専用の土台と専用の天板を段ボールで作りましたよ。仮に付箋がこぼれ落ちても、周りを立ち上げた “トレー状の土台” がすべて受け止めるから…紛失することもない。
そしてどんなに不器用な生徒さんでも簡単に開梱して…また搬出時に簡単に梱包できるように段ボールの組み立て方も考え、運ぶ時に持ちやすいよう…紐をかけたりして完璧な梱包をして搬入してあげたのに、そういう作業とかはまったく恩義に感じないヒトだったんですね、その教員は…。
っていうか、『恩義』ってコトバも知らんのでしょう。もはや人間としてどうかってレベルの問題!
『画材業者は教員の奴隷だろ』…くらいに思ってるのかもね。
いや、そういう教員…けっこういますよ。いるんですよ。

やれやれ ┐( ̄ヘ ̄)┌
明かりも無い中で、携帯の明かりで定規の目盛りを読んだり、カッターで段ボールを切ったり。
明るい室内なら3分の1か4分の1の時間で済む作業を、他の学校の平面作品の仮縁などの不具合のチェックよりも優先させて、真っ暗な中作業しましたよ。
1つの作品に1時間半以上!
顧問がまったく梱包への意識が無いヒトだったから、その生徒さんの作品の保護のため、そして他校のすべての作品を守るために、その顧問に代わって全部やってあげたのに。
そういうのは都合よく忘れちゃうんだぁ。
へぇー ┐( ̄ヘ ̄)┌
せめて、『3ダースサン、人員配置が変わって教員が増えるんですよ。業者も増やすんじゃなく学校が一本化しろって言うから、とりあえず相談したいんで来てくださいよ』って言ってくれたなら行ったし、やるだけのことはやっただろうし、高美展の尽力も思い出してもらえたかもしれないけど、やっぱり “値段だけでしか物事を見れない” 、“値段だけでしか人の努力を測れない” ヒトって…世の中に居るんですね。
しかもその、価格交渉の場にすら乗らせてもくれずに…。
こういうヒトはなんて呼ぶべきかな?
ギレン総帥なら的確に言い放ってくれそうですよね。
賢明なるメルマガ読者のみなさんは、よその業者がグイグイ食い込んできた場合…まず3ダースにお知らせください。
ウチは “荒らす” のは好きじゃないので、すでに他社が入ってる学校に安い値段をチラつかせて強引に入り込んだりは…しませんよ。
そんなことしてたら…場合によったら業界全体が共倒れになりますからね。
しかし、そういう当然の紳士協定みたいなものをまったくわかってない業者も実際いるし、他社の陰口を言って先生を自分の方に向かせようとする業者もいるようです。
また、そういう陰口を言いふらす業者だけでなく…教員の中にも、異動前に業者から受けていた恩義などをなんっとも思わず…異動の際に異動先に元々入ってた業者に簡単に乗り換えちゃう…まるで尻軽女 (この言葉は “女性への蔑称” として使っているのではなく、昔から国語辞典に載っている言葉の意味で使っています。女性蔑視の言葉でも性差別の用語でもありません) みたいな先生も実際にいましたし…。
やれやれです。
【第35回終わり】